Vol.96 熱風いわて 32万人
総務課 主任 杉田友視
2020.09
令和元年度企画展「ジブリの大博覧会 岩手展」は、当館過去最高の観覧者数323,930人を記録しました。実は、ジブリの綴りは「GHIBLI」、サハラ砂漠に吹く熱風を意味するイタリア語であり、日本のアニメーション界に熱風を起こそうという思いを込めてネーミングされたそうです。今までで当館の最高観覧者数は、H25「プライスコレクション展」70,363人なので、本展覧会はこの約4.6倍にあたります。また、盛岡市の人口が約28.8万人(R2.1)、岩手県の人口が122.4万人(R2.1)であることからも、この展覧会の沸き立ちはご想像いただけるのではないかと思います。その名のとおり岩手に熱風が起こりました。
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グランド・ギャラリーの様子
当展覧会の計画は1年以上前から少しずつ。開催の半年前には早割券・前売券の販売が始まりました。当初約20万人の観覧者数を見込んでいたところ、早割券等の販売状況から見込数を超えるかもしれない、とその勢いに喜びを感じつつ、来館者の対応などについて何度も対策を練りました。分厚いマニュアルも作成されました。が、当館未曾有の観覧者数に対しては机上論であり、これで大丈夫という確証の結論には至らなかったと思います。
いよいよだ!という実感はちょうど昨年の秋の始まる前。会場準備や開催スケジュールなど直前まで様々な調整が行われ、11月30日に開幕しました。開幕中は、本当に色々ありました。展示室までの入場に2時間以上かかってしまう日もあり、近隣には人が溢れていました。その都度、閉館後にクラクラになった頭を叩き、皆で検討し、対策を講じました。決定した対策は直ぐ現場に反映します。頻繁に対応内容を進化させたので、全スタッフへの情報提供、情報共有は欠かせませんでした。団結力が高まるかなと思ってスタッフの朝礼でかけ声も作ってみました。会期中は常に何かに追われ、軌道に乗ったという記憶は無かったような気がします。
1月3日に10万人、1月28日に20万人、2月14日に30万人を達成しました。その2日後の2月16日に閉幕。展覧会は成功裏に収められましたが、その背景は係わったスタッフ一人ひとりの努力の成果だったと感じています。今回のような大規模事業だと携わる関係者はとても多くなりますが、事業や運営には、数知れない方々の努力、そして想いが込められています。それは規模によりません。
熱風はあっという間に彼方へ吹き去り、新型コロナ感染症に係る新生活様式への対策に追われつつ、美術館の日常は過ぎています。来年度に当館は20周年を迎えます。これからも皆様に喜んで頂ける美術館であり続けるため、日々努力してまいります。
最後になりましたが、開催中ご来館いただきました皆様に御礼申し上げますと共に、多大なご協力をいただきました関係者の皆様にこの場を借りて改めて感謝申し上げます。
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閉幕後にスタッフで記念撮影
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スタッフジャンバーなど