コレクション展
第2期 特集:抽象表現の楽しみ
- 日時
- 2021年7月23日(金・祝)ー10月17日(日)
- 場所
- 常設展示室
詳細
前期:7月23日(金・祝)ー9月5日(日)
後期:9月7日(火)ー10月17日(日)
岩手県立美術館では、明治から現代にいたる岩手ゆかりの作家たちの作品を収集し、季節ごとに年4回展示替えを行いながら、常設展示室、萬鐵五郎(よろず・てつごろう)展示室、松本竣介(まつもと・しゅんすけ)・舟越保武(ふなこし・やすたけ)展示室の3室でコレクションを公開しています。
今期の特集展示では、抽象表現による絵画や立体、工芸作品をご紹介します。抽象芸術は、それまで「目に見える具体的ななにか」を表すために用いられてきた、形や色、線など、芸術を成り立たせる基本的な造形要素自体に美を見出し、その表現性に着目するという新しい価値観のもと、20世紀初めのヨーロッパで生まれます。以後時代を経て、表現方法や制作態度はそれぞれ異なるものの、様々な作家が抽象表現によって、その内面の感情やイメージ、あるいは作家を取り巻く世界や現実への独自の捉え方を表してきました。
本特集では、日本における抽象絵画の最初期の作例を残した萬鐵五郎にはじまり、その画業の中でわずか数年間のみ、墨や油彩による抽象作品を描いた澤田哲郎(さわだ・てつろう)、移り住んだイタリアの風土から得た着想を抽象へと昇華した千葉勝(ちば・しょう)、そして盛岡における前衛美術運動の中心となった村上善男(むらかみ・よしお)らによる作品をご紹介します。さらに多様な展開を遂げた現代美術からは、絵の具を画面に飛び散らせ、偶発的な効果を試みたゴトウ・シュウや、身の周りの色彩をモチーフにして、繊細な心象風景を表す杉本(すぎもと)みゆきらの作品をご覧いただきます。
立体作品では、日本の抽象彫刻のパイオニアである昆野恆(こんの・ひさし)、木を素材として、自身の内に潜む形を追求する菅沼綠(すがぬま・ろく)などの作品を展示するほか、工芸の分野からは、陶芸の泉田之也(いずみた・ゆきや)や、漆芸の古関六平(こせき・ろくへい)ら、それぞれの素材の特質を活かした優美な形態をみせる作品をご紹介します。ぜひこの機会に、作家の紡ぎ出す、独創的で多彩な色や形の表現世界をお楽しみください。常設展示室
澤田哲郎 《小休止》
深澤紅子 《赤い帯のひと》
宇津宮功 《生物圏保護区No.261》 ほか
萬鐵五郎展示室
萬鐵五郎
《雲のある自画像》
《筆立のある静物》
松本竣介・舟越保武展示室
松本竣介
《序説》
《議事堂のある風景》
《Y市の橋》 ほか
舟越保武
《青い魚》
《聖セシリア》
《その人》 ほか
各展示室において、会期中に一部作品の入替えがあります。
2021年度 コレクション展 第2期 作品リスト(4.2MB)
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関連イベント
講演会「松本竣介―透明感のある色彩に抒情をこめた都市風景―」
日時:2021年7月31日(土) 14:00-15:30
講師:中村光紀氏[萬鉄五郎記念美術館館長]
場所:ホール
定員:100名(先着順)
*参加無料。参加ご希望の方は当日直接ホールにお越しください。
日時:2021年10月2日(土) 10:00-14:30 *休憩1時間を含みます。
講師:細川憲一氏[画家・当館コレクション作家]
場所:スタジオ
対象:高校生以上一般(定員15名)
*参加には事前申込が必要です。(申込締切:9月18日(土)必着)
日時:毎月第2・第4土曜日 11:30-(15分程度)
「萬鐵五郎」「松本竣介」「舟越保武」など、毎回テーマを設定し、学芸員が展示解説を行います。
*参加ご希望の方は当日観覧のためのコレクション展観覧券をお持ちの上、直接常設展示室にお越しください。