Vol.114 子どもと楽しむ美術館~こぶたのマーチに誘われて~
学芸普及課 学芸調査員 菅原睦
2024.05
先日、もうすぐ3歳になる娘を連れて美術館に遊びに来ました。幼いこどもと一緒に作品鑑賞するのは大変でしたが、よい経験となったのでお伝えしたいと思います。
開催していた企画展は「堀内誠一 絵の世界」。絵本の原画展で子どもも楽しめる内容です。娘のお絵描きも最近ようやく人の顔のようなものを描くようになり、私も「これはそろそろ絵を見て楽しめるのでは…」と思い、久々の美術館行きを決意しました。
私の目論見は展示室に入って5分で粉砕しました。娘は事前に読み聞かせをした《こぶたのマーチ》には興味を示しましたが、あとは「あっち…こっちいってー」「これさわりたいよー…アイスたべたいよー!」とお願い攻撃の嵐。もう少し作品に興味を持ってもいいんじゃない?お行儀よくしてもいいんじゃない?アイスさっき食べたじゃん?と思いつつ、娘を抱っこして、そそくさと展示室を出る羽目になったのです。
娘が一番興味を持ったのはギャラリーショップでした。「お父さんにこれかってあげるねー。」と商品のバッジを嬉しそうに物色。最後にはガチャガチャもして、目的以外のアクティビティに大変ご満悦の様子でした。これには作品を楽しんでくれるものとの期待も叶わず少しがっかりした思いをしましたが、改めて考えると、娘と一緒に来れてやはり良かったと感じています。
大人のような作品鑑賞とはいきませんでしたが、娘なりに感じるものがあったらしく、後日「これみてきたよー。」と《こぶたのマーチ》を抱えていたり、バッジをいじりながら「またいこうね」と話しをしたりしてくれました。次に一緒に展覧会に行ったなら、娘が何に反応を示すのか、その時々にどんな変化あるのか、そんな成長の瞬間を発見することも私の今後の楽しみにもなりました。
当館の展覧会やイベントには、子どもと一緒に美術を楽しもうとするご家族が沢山いらっしゃいます。子どもを連れての外出はそれだけで大変なことが多いのに、外出先に当館を選んでいただいていると思うと、本当にありがたい気持ちになります。また、もし、子どもがうるさくしちゃうかもとご心配されている方がいれば、親子対象の優先時間もありますので、一度お試しいただくことをお勧めします。(https://www.ima.or.jp/event/family-time/)
皆さまのご来館を心からお待ちしております。
ファミリータイム時に来た時の娘(この時は2歳)