岩手県立美術館

　当館に来館されるお客様に最も身近なところで業務をしている職員は、受付や看視の職員です。これらの業務を行っている職員は、まさしく、美術館の顔といえると思います。受付や看視の業務は単純な仕事と思っている方が多いかと思いますが、意外と奥が深い業務なのです。
　受付や看視の職員は、来館者に快くご観覧頂くために様々な配慮に心がけているのです。来館者に快くご観覧頂くことを第一に考えておりますが、一方では、貴重な作品を同じ状態で多くの方々に観覧していただくために作品に手を触れることがないように気を付けなければなりません。また、大きな声で会話したり、展示室内で走ったりしているのを見掛けたりした場合は、他のお客様のご迷惑にならないように、静かにご観覧して頂くように声を掛けなければなりません。そのような場合には、お客様のご機嫌を損ねないように、どのようなタイミングで、どのようにお声を掛けたらよいものかと悩む場合がよくあります。
　今回は、当館において、総合受付業務、展示室の受付・看視業務、ライブラリーの受付業務を行っている職員に、日頃の業務について聞いてみました。

・笑顔で丁寧な対応に心がけ、来館したお客様が「良い美術館だった」、「また来たいな」と思って頂けるような応対。
・お客様が安心して美術館を満喫できるようなサービス。
・お客様が困っている時など、声を掛けて頂きやすいような笑顔での応対。
・お客様へのご案内は端的に分かりやすく、はっきりとお伝えすること。
・看視の際は、作品鑑賞の妨げにならないようにすること。
・看視の際は、お客様を注視しすぎず、お客様との会話は笑顔を心がけること。
・災害発生時等には、館内でのお客様の安全を最優先に配慮すること。
・作品保護のため、お客様が作品に触れたりしないように気を付けること。
・お客様が他のお客様のご迷惑にならないように声掛けをすること。

・笑顔で「おかげさまで素敵な時間を過ごすことができた」とか、「作品を見て満足された」という感想を聞いた時。
・展示鑑賞の感想を話していただいたりした時。
・お客様の質問にお答えすることができ、お客様が喜んで笑顔になった時。
・子どもから質問されると、美術に興味を持ってもらえたのかなと思い嬉しくなる。
・笑顔で「また来ますね」といわれた時。
・美術館の施設をほめていただいた時。

・入口が分かりにくいとお怒りで来館された時。
・バスが遅れたり、公園内での出来事でお客様からお怒りの言葉を頂戴する時。
・作品に触ってしまったお子様に声掛けすると、同伴の方に不機嫌な顔をされ、時には苦情を言われてしまうことがあること。
・作品に触ってはいけないと分かっているのに、触るお客様が時折いらっしゃること。
・大声でお話しされているお客様に声掛けするとお客様のご機嫌を損ねること。一方、そのようなお客様への声掛けが遅くなると他のお客様からお叱りを受ける場合があること。どの程度でお声を掛けたらよいか悩む場合があること。